読んだのはこちら。
少年ロバートが、「数の悪魔」を自称するエキセントリックな老人に夢で出会い、数学のおもしろさに触れるというストーリーの、絵本とも小説ともつかない、”おはなし”調で書かれた書籍です。
解説されているのはフィボナッチ数や素数、パスカルの3角形、無理数、連分数などなど、面白い性質を持った数ばかりです。
これらの「数」に馴染みのない人は、面白く読めると思います。
また、子供を寝かしつけるときに読みきかせてやって、親子で数のパズルをしながら眠りにつく用な用途にもぴったりでしょう。
ただし、数に詳しい人からみれば、得るものが何もないとか、おもしろみのない本に見えてしまうことも事実です。
なぜなら、どうして数はその性質を持つのか?には踏み込んでおらず、数のもつ表面的なおもしろさだけを取り上げた書籍だからです。
それでも、小学校中学年程度〜の、算数が嫌いになり始める年頃の子供が、もう一度算数を好きになるきっかけの書籍としては、良い線行ってると思います。
(ただ、ルビの振り方が中途半端で、子供だけで読ませた時に、つまずくことなく最後まで読めるかは疑問です。
やはり、親子で楽しんでほしい一冊です)
難点は数学的な用語を避けて、独自の言い回しをしていることで、独自の言い回しと数学的発想が結びついたあと、数学的な用語にそれが置き換わった段階で混乱するんじゃないかと思える点です。
この辺は、読みきかせてやる親が、うまく誘導してやる必要があるでしょう。
訳の程度は良いとは言い切れないものです。
訳書が嫌いな方は注意しましょう。よくある翻訳物とも言うべき、典型的な訳し方をしている書籍だと思いますので。
私の買ったもので、既に26刷の書籍で、そこからもよく売れていることがわかると思いますが、ハードカバーからソフトカバー(普及版)になる段階でも間違いは直されていない様で、文章の間違い(たぶん、原作にはないだろう間違い)を見つけることができました。
そういう間違いをさがしながら数の道を歩いてみるのもいいのかもしれません。
新書で買うには、個人的にはちょっと高い金額だと思います。
私個人は、この内容なら1000円ぐらいが限度かなと。
興味のある方は、立ち読みしてみてから決めても良いと思います。
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