7.10.2010

大哺乳類展に行ってきました

覚えてはいたものの、明治大学での講演には行ってきませんでした。

なぜかと言えば、楽しみにしていた、国立科学博物館による企画展「大哺乳類展〜海のなかまたち〜」が今日からスタートだったことに、昨晩気づいたからです。

10時前に家を出て、そこからたっぷり14時まで、海のなかまたちを満喫してきました。

展示の主軸はクジラやイルカといった鯨偶蹄目でしたが、海のなかまという事でブースひとつながら、鰭脚類やカイギュウ類も参加していてボリュームがありました。

クジラやイルカのに関する主たる展示は、その多くが骨格標本で、陸のなかまたちのときのように、剥製が山ほど並んでいる様子を想像していくと、それほど楽しめないかもしれません。

それでも、会場内を貫くように展示されているシロナガスクジラの骨格や、鯨偶蹄目の祖先にあたる哺乳類からの進化の過程、サメや恐竜、そのた陸生動物などとの比較など、内容は非常に濃いものでした。

展示後半は生物多様性年ということもあって、絶滅した(あるいは絶滅しそうな)海のなかまたちの話が主軸になっていました。
このブースでは、子供たちは退屈そうにしていましたが、非常に考えさせられる内容で、できることから少しずつ初めて行かなければならない気持ちを強くもちました。
(例えば、今でも漏れ続けているメキシコ湾の石油によって、どれほどの海のなかまが影響を受けるか考えてみると、これほどまでに非道な人間の行いに、背筋が凍る思いがします。)

願わくばこの企画展が契機となって、世界トップクラスの海洋資源をもつ海洋資源大国として、日本が海のリーダーとして活躍できれば、海好きとして大変うれしいと思いました。

余談ですが、企画展を見て、私の興味はやはり海洋生物ではなく、海洋物理なんだなぁと痛感しました。
それにしても、マッコウクジラVS大王イカの映像資料や、骨まで丸呑みにしている様子がよくわかる、シャチの胃の内容物の展示など、勉強になるものが多かったです。

音声案内を500円で貸出していて、そこでは「飛び出せ科学くんのMC二人」と「飛び出せ科学くんのあのアナウンサー」が解説として加わっていますが、あまり役には立ちませんでした。
基本的には展示会場内のパネルに書かれていることを読み上げるのとクイズ程度で、補足情報はそれほど多くなかったからです。これで500円は、ちょっと取りすぎでしょう。

お土産物を買うか迷いましたが、今回は手ぶらで帰ってきました。
8月中旬頃までやっていると思いますので、今年の夏、海に出かけようと思っている人たちは、先にこちらを見て、今海に住んでいる仲間たちが直面している現状を心に留めてから遊びに行って欲しいです。

決して海に生きる動物たちじゃないのです。
海の仲間たちなのです。

7.07.2010

読書


私は普段、あまり漫画を読みません。
別に漫画が嫌いなわけじゃなくて、読み始めると時間を忘れて読みふけってしまうので自重しているのです。

そんなわけで、あまり漫画業界のこと、ことさら作家名などを知らない私ですが、こんな私でも名前を知っていて、作品もいくつか読んだことのある漫画家に、手塚治虫がいます。

世間では天才漫画家、漫画家の神様などと呼ばれる同氏。
興味はもっていたものの、これまで詳しく彼のことを書いた、伝記的書籍に出会うことがありませんでした。

そんな中、古本屋(先日の古本でいい本に出会ってから、月に1回ぐらいは古本屋に行くようにしています)で見つけてゲットしたのが、手塚治虫をタイトルにした、ズバリとも思えた本でした。




1990年と古い本で、現代から見ればずっと手塚治虫が生きた時代に近い人が書いた書籍であって、しかも作者自身、手塚治虫のファンだというので、手塚治虫の人生が記録された書籍だと思って買ったのですが、これが大はずれでした。

何がひどいかと言えば、全編を通して「筆者の思い描く手塚治虫像」を読者に強要するのです。
たいした裏付け資料も出さず(裏付け資料が出ているところではあまり強く主張をせず)、手塚治虫はこうでなければいけない、手塚治虫はこう思っていたなどと、筆者が重っていることを、さも手塚治虫自身の意見であるかのように述べている節が随所に見受けられました。

挙句、手塚治虫の心理を分析するような口調で論じ、「どうだい?僕はこんなに手塚治虫のことを理解しているんだぜ」とでも言いたげで、読んでいて気持ちのいい文章ではありませんでした。

手塚治虫の人生に付いても、生まれなど、冒頭こそ文章で語っていたものの、徐々に年表のような簡略化されたものと、それに付随する短い解説文の中でだけ述べられるようになり、終始それと混在させる形で「筆者の思い描く手塚治虫像」を、さも手塚治虫そのものであるかのように書いた文章が目立ちました。

手塚治虫の人生に付いて、その概略を掴むにはいいかもしれませんが、「この筆者の語っている手塚イズムこそ、手塚治虫作品の根底に流れる思想である」とは思わない方が良いでしょう。

真面目に手塚治虫のことを知りたいなら、読むべきでない書籍だと思います。

7.06.2010

ふと思ったこと。

書店で買ったネイビーヤードが、思った以上の価格でびっくりしました。

さて、そんな今日に思ったこと。

・ Google Docsにアイディアノートというか、マインドマップエディタ的なものが追加されるとうれしいなぁ。
Office系アプリとしても使い道があるだろうし、何より共有できることがすごい強みになると思う。
っていうか、そういうサービス書いてみようかしらん。

引越しに必要なものやら何やら(何を持って行って、何を捨てていくか?)を考えていてそう思いました。
ワープロやプレゼンソフト、表計算ソフト以上の、より抽象的な表現手段を用いたいということでござんす。

7.05.2010

読書

情報系の読み物が続いたので、ちょっと毛色を変えて、英語に関連した書籍を読んでみました。

読んだのはこちら。



タイトルにあるTOEICとTOEFLは、確かに本文中、随所でその試験内容の詳細に触れた議論や、試験問題の例などが出てきますが、書籍全体を通して「英語系検定試験」の代表として挙がっているだけで、なにもこの二つの検定だけの話をしている書籍ではありません。

内容はシンプルで、TOEICやTOEFL、およびそれに類する英語系の検定試験についてざっと解説をした後、日本人の英語力の弱点や、英語教育のあり方、アジア諸国をはじめとした、英語を母語としない外国との比較によって、なぜ日本人のTOEFLスコアが低いのか?なぜ日本人は英語が苦手なのか?を詳細に議論しています。

様々な参考資料に支えられていることもあってか、内容がしっかりしていて、それでいて文章の論理構造が明快なので、面白いエッセイを読んでいるような気分になりました。

「道具としての英語」ではあまり意味がないという結論も、なかなか説得力があります。
調査や比較の際に出される数字、およびその手法に付いては若干疑問符が残るところもあるものの、一貫して「英語系検定試験を受けるのが当たり前」の世の中への警告とも言うべき事柄が語られていて、大変興味深かったです。

2002年刊行の書籍ですが、それから10年近く立つ現在でも内容は色あせておらず、当時と大きく変わりない、現在の状況に危機感すら覚えました。

英語力を上げたい!と思っている方はもちろんのこと、各種検定の内容や実態を知りたいとか、専門家は本当に役立つ英語がどんなものだと考えているのかに興味のある方は、一読する価値があるでしょう。

ボリュームも小さく、よくまとまっているので、ちょっとした空き時間に読むのもおすすめです。

7.04.2010

はじめての電子工作


模型用塗料を買いにヨドバシカメラに行ってきたんですが、模型コーナーでおもしろそうな電子工作キットを発見したので、衝動買いしてしまいました。

買ったのはこちら。



Let's ピアノなる電子ピアノのおもちゃを作れるキットです。
せっかくハンダ付けの手法をきちんと教わったので、ハンダ付けが楽しめて、出来上がった後も飾って楽しいキットがいいなぁと思っていたところだったので、すっと手が伸びました。

価格はヨドバシ特価でも3000円とちょっと高めでしたが、高級な模型キットをひとつ買ったと思えばこんなものかと考え、購入に踏み切りました。

家にかえって早速開封。
同梱されている部材のリストや上手なハンダ付けのための解説本もはいっていて、私のような入門者に向けて作られたキットだと感じられました。

けれども、はんだづけする場所などに付いては詳細な指示はなく、「このマークのところにくっつけて!」といった具合の解説で、ついさっきハンダゴテを買ったばかりという方におすすめできるキットではなさそうです。

基本的には解説書にしたがって電子部品を取り付け、部材を組み上げれば完成するのですが、作っている過程で感じたことをいくつか。

・ユニバーサル基板に比べて、温めに時間がかかる
ユニバーサル基板に比べ、基板裏側の銅箔部分の面積が広く、温めるのに時間がかかる印象がありました。
温めすぎで電子部品を破壊してしまうことを防ぐ措置の一環だとは思いますが、これまでユニバーサル基板でハンダ付けの練習をしてきた身としては、ちょっと手こずりました。

・抵抗とICの設置場所が近すぎ。
はじめに抵抗をハンダ付けし、その後にICをハンダ付けする作りになっているのですが、ICの足の一部が、一部の抵抗の足と非常に近く設置されていて、ハンダ付けの方法を工夫しないと、そこでつながってしまうような基板デザインなのは、初心者向けキットとしてはいかがなものかと思いました。

以上、2点が実際につくってみて感じたことです。
ただ、上記2点を差し引いても、出来上がった時の喜びは大きく、何度も何度も音をならしてニヤニヤしています。

作業時間は2時間半ほどで、私のように、初めて電子工作にチャレンジする人間でも、それぐらいで完成できたので、多少なれた人なら、もっと早く作ることもできると思います。


完成品は思ったよりも大きくて、インテリアとしてもそれなりの存在感を放ってくれそうです。
とても面白かったので、今後もいろいろチャレンジしていきたいと思います。
(いずれ電子回路がわかってきたら、Japaninoにいろいろくっつけて遊びたいなぁ)

7.03.2010

Haskellしよう。

そんなわけで「ふつうのHaskell」読み終えました。
買って読んで、しばらくしてからの再読なので内容はほとんど覚えていませんでしたが、以前身につけた素養は残っていたらしく、読みすすめるのはずっと楽でした。

以下、感想です。



Amazonのレビューでは五つ星が付いているようですが、私がつけるなら三つ星〜四つ星くらいかなと。

章の構成はよく練ってあって、UNIX系のOSでよく使われるコマンドラインベースのツールをつくるところから話がスタートしていきます。

体裁としては教科書ではなく、講演会や勉強会での持ち回りの発表を聞いているような感じでした。

内容はHaskellそのものというよりは、Haskellを実用するには?の入門的な内容になっていて、Haskellの設計思想や、Haskellとはなんぞや?という概念の部分はすっ飛ばしています。

扱う題材もほとんどがテキスト処理で、数値計算やパズル解析なんかの、「Haskellをよく使う人たちがやりそう」と思えるような分野の題材は取り上げられていませんでした。

文章はとても読みやすく、よくありがちな「前のページの内容まではすべて理解している前提で話をすすめる」タイプの書籍とは明らかに異なり、数回程度出てきた内容から、出現頻度の低い内容を補う形の解説で、無理なく読みすすめることができました。

章末問題が付いているのも魅力で、学習内容を実機で確認しながら読み進められる他、回答が巻末に付いているので、携帯電話やノートなどにコードを打ち込み、それと回答を見比べながら学習を進めていく、処理系ナシのスタイルでも、関数言語的発想を養えるのが魅力的だと思いました。

しかし、11章以降〜第3部の終わり(つまり巻末)までは、どの話も尻切れとんぼのような、しっくりこない内容が多いと感じました。
第3部で作るとしているWikiアプリケーションも解説は主要な部分のみに絞っており、「こんな風にWikiを作りました」というレポートになってしまっている感じがありました。

モナドについても、モナドという言葉を出しただけで踏み込んだ解説はなされておらず、機能としてのモナドというか、そういう解説に終始しているように感じました。

それを筆者もよく分かってのことか、巻末にこの先読むべき本が道しるべとして列挙されている点には、非常に好感が持てました。

結論として、入門書にはおすすめですが、長く付き合っていけるタイプの書籍ではありません。
また、普段使いの言語としてHaskellをチョイスする人には十分な内容ですが、関数型言語としてのHaskellを学びたいという人には、物足りない内容だと思います。

この本がでてからだいぶ立つというのに、関連書籍は非常に少なく、まだまだ国内ではマイナーな言語であるHaskellですが、これからチャレンジしようと重っている方は、図書館などで読んでみて、自分に合う書籍だと思えば、購入に踏み切ると良いのではないかと思います。

7.02.2010

Opera 10.60にしました。

しましたというか、なっちゃいましたというか。
昨日アップグレードをかけたら、Opera 10.60になっちゃいました。

見た目がググッと変化したけど、使い心地は変わらず。
mozcの調子が悪かったので、最新のr34に上げておきました。
それによって問題解決。

ただ、Bloggerの自動保存との処理のかねあいがうまくいってないらしく、そこがウザい。
ブログもChromiumでつけるようにするか・・・。