7.10.2011

読書。

船の科学感で思う存分写真を撮り、タミヤファクトリーでOrbiterを購入し、そんな充実した7月の2冊目。


森博嗣氏の、科学的とはどういう意味かという書籍。

結論から言えば、とても主観的かつ思った事をぐわっと書籍に吐き出しただけという、内容について深く考えていない感じの内容。

いや、深く考えていないというのは誤りだけれどもここ最近の出来事に対して、あまりにも焦点を合わせすぎているように思える。息の長い、読み継がれるタイプの書籍ではないだろうという事を言いたい。

以前から氏の小説を読みにくい、読みにくいと思って読んでいたけれども、このエッセイを読んではっきりした。

私にとって氏の文章が読みにくい理由は、私の所有している技術書と同じような書き方がなされているからということだ。

だから、こういうエッセイになっていると、とたんに読み易さが増す。

そんなおかげもあって、氏の書籍にしては珍しく、スラスラ読むことができた。

内容については賛同半分、反対半分といったところか。

内容で特に書いておきたいことといえば、すぐに結論を求める事を批判しておきながら、各章に「まとめ」と称して要約をつけてしまうあたりだ。

ここまでガツンといったら、「まとめなんてなくても、この章で言いたいことぐらい自分で考えろい!」と突き放してしまいそうなものだと思うが、それをしないあたりに人の良さ、また結論を早く求める人たちへの諦めに近い感情を読み取ることができた。

ファインマン的な科学の考え方とは若干違った考え方もあって、工学部ながら物理屋に近いことをずっと学んできて、エンジニアになっても情報系に身を置いている私としては、新鮮な科学の見方があったのは嬉しい発見だった。

低下と内容のバランスとしては、価格相応ではないと思う。反面、500円程度なら、迷わず買いの一冊だと思う。

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