2.25.2011

読書。

今月3冊目。
2月は3日ぐらい他の月より少ないけど、3冊ペースは守れた感じ。
読んだのはコレ。




先日地球帰還を遂げて大いに国内を沸かせてくれた「はやぶさ」の話。
でも、肝心のはやぶさがでてくるのは全9章中、最後の2〜3章だけ。

あとは日本の宇宙研究の歴史的な所にページが割かれている。
加えて、タイトルにはやぶさを冠しながらも、はやぶさに関する記述は時間と状況を箇条書きにしたような、実にお粗末な物。
記録としてはいいのかもしれないけれど、読み物としては今ひとつかな。

はやぶさの飛翔は映画にもなるそうだけれど、僕は一足先にプラモを買っていて、その予備知識としてはやぶさのことを知っておこうと本書に手を伸ばした訳だけれども・・・・・・。

宇宙研の歴史――ペンシルロケットからはやぶさまで――とかなら、内容にも文句はなかった。
でも、本書のサブタイトルになっている不死身の宇宙機の不死身たる様子はほとんど感じられなかったし、宇宙研の研究のやり方のほうに感心させられてしまった。

確かに情緒たっぷりに、情感を込めて文章にする必要はなくとも、時間と状況を書き連ねていくだけではやぶさの成果を知らせようと思うなら、参考資料の提示だけで十分だったはずで、本にまでする必要はないし、なによりそれこそJAXAの広報がやれば十分な仕事だったろうと思う。

冒頭にサイエンスがイトカワ特集になったという栄誉ある出来事が書かれているが、ここで発表された論文についてもほぼノータッチ。
具体的にどういう論文が集まって、サイエンスを独占するほどになったのかぐらいは書けたんじゃないかと思う。

「はやぶさ」をすごく期待して買った本だったから、落差が大きかったのかもしれない。
それでも宇宙研の歴史や糸川博士の哲学には感服させられるところが多くて、ためになる本だったと思う。
「システムは焼き鳥の串だ」という同博士の言葉が、本書で一番印象に残った一言でした。

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