4.15.2010

物理の天才たちに学べ。



学部に通っていた時よりずっと長い––4倍近い––通勤時間をつぶすため、あれこれと本を読んでいます。
そんなわけで、最近読んでおもしろ買った本の話です。

タイトルは「ニュートリノの夢」。
ノーベル物理学者、小柴昌俊先生の自伝的書籍です。
東京新聞に連載されていたコラムをまとめたもので、文章は大別された章と、それを形作る小さなまとまり(おそらく連載1回分の分量)で構成されています。

その構成もあって、ちょっとした時間に読むのでも「まとまり」単位で読み進めることができ、待ち合せの時間つぶしにも最適でした。

内容は小柴先生の誕生から少年、青年時代を経て、いかにして物理学の道に進むようになったか、海外での研究員時代はどのようなものだったか、ニュートリノ検出までの道のりはどのようなものだったかなど、時系列にまとめられた内容とともに、当時親交のあった朝永振一郎博士や湯川秀樹博士、南部陽一郎博士など、著名な物理学者との関わりが、大変面白く描かれています。

最後はノーベル賞の受賞から今後の活動まで言及されており、ひとりの優秀な実験物理学者の考え方や人となりを知るには十分な内容の書籍であると思いました。

新聞に連載されたコラムだけあって、難しい物理学の話はほとんど出てきません。
なので、物理学に触れたことがない人でも、十分読み進めることができると思います。
(ただ、科学【中でも素粒子物理学や原子核物理学】についての基本的な知識があれば、何倍も楽しめる内容だと思います。)

科学に関連した、こういった読み物は、いつでも気持ちを少年時代に引き戻してくれる、素晴らしいツールだと思っています。

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