6.05.2010

openSUSE 11.2に、mozcを自前ビルドでインストールする方法

先日のポストの通りまとめておきますが、参考にしたページ曰く、ワンクリックインストールできる環境が整ったようなので、楽をしたい人はそちらの方が便利だと思う。

ただ、本家には含まれておらず、バイナリに梱包しての配布もよしてね。と言われてるけれど、何気にいい感じの、UTUMIさんの辞書を使うための方法をしりたい人もいると思うので、そういう人は下記のメモが役立つんじゃないかと。

1.必要な環境を整える。
先程のページを参考に、zypper経由で必要な開発関連パッケージを取り寄せておきます。
先日のポストにも書きましたが、参考サイトのパッケージ以外に
・protobuf
・qt4
の開発パッケージが必要なので、それぞれprotobuf-develとlibqt4-develをいれておきます。
加えて、オフィシャルなレポジトリにはない、gtestのdevelパッケージも必要なので、SUSEのSoftware searchから引っ張り出してきて放り込みます。

2.ソースコードなどを取り寄せる。
まずはホームディレクトリに移動後、gclient depot toolsをsvnからチェックアウトしてきます。

% cd ~/
% svn co http://src.chromium.org/svn/trunk/tools/depot_tools
% export PATH=`pwd`/depot_tools:"$PATH"

ついでに、UTUMIさんの辞書も用意しておくといいでしょう。

つづいて、ディレクトリを掘ってから、今入れたgclientでmozcのコードをひっぱってきます。

% mkdir -p ~/src/mozc
% cd ~/src/mozc
% gclient config http://mozc.googlecode.com/svn/trunk/src
% gclient sync

今後mozcをビルドし直すときは、最後のgclient syncコマンドを~/src/mozcディレクトリで走らせれば、自動的に最新のコードを持ってきてくれます。

3.辞書をつくる
ビルドに先立ち、先程とってきた辞書を大本の辞書とミックスします。
はじめに、落とした辞書を展開し、展開先のディレクトリに移動後、次のコマンドでひとつながりにします。
ひとつながりにしたものは、mozcのデフォルト辞書があるディレクトリに配置します。

% cat mozcdic-ut-*.txt > dict01.txt
% mv dict01.txt ~/src/mozc/src/data/dictionary/dict01.txt


続いてこれをくっつけ、使えるようにします。

% cd ~/src/mozc/src/data/dictionary
% cat dictionary1.txt dict01.txt > dictionary1.txt.new
% mv dictionary1.txt.new dictionary1.txt


4.ビルド
ビルドします

% cd ~/src/mozc/src
% python build_mozc.py gyp
% python build_mozc.py build_tools -c Release
% python build_mozc.py build -c Release unix/ibus/ibus.gyp:ibus_mozc server/server.gyp:mozc_server gui/gui.gyp:mozc_tool

時間がかかるので、しばらく放置。

5.インストール
あとはインストールするだけ。

% sudo mkdir -p /usr/lib/ibus-mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/ibus_mozc /usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
% sudo chown root:root /usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/unix/ibus/mozc.xml /usr/share/ibus/component/
% sudo chown root:root /usr/share/ibus/component/mozc.xml
% sudo chmod -x /usr/share/ibus/component/mozc.xml
% sudo mkdir -p /usr/lib/mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/mozc_server /usr/lib/mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/mozc_tool /usr/lib/mozc/
% sudo chown root:root /usr/lib/mozc/*

最後に/usr/share/ibus/component/mozc.xmlの5行目と12行目を
/usr/libexec/ibus-engine-mozc
から
/usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
にしてインストールは終わり。
再起動して、ibusの使う変換エンジンにmozcを指定すれば、晴れて快適な環境が整うという訳デス。

6.その他
インストールしたままの状態だと、mozcにはアイコンがなく、起動しても面白みがないので、適当なpng形式のアイコンを拾ってきて
/usr/share/ibus-mozc

product_icon.png
という名前で放り込んでおけば、mozc起動時にそのアイコンがタスクトレイに表示されます。

僕もMozc Insideなんてパロディーアイコンを作ってみたものの、実際に使ってみると、タスクトレイ上じゃつぶれて綺麗に見えないので、他のところからよく調整されたアイコンを拾ってくるのが賢いでしょう。





この記事を参照したことで被ったいかなる損害にも応えられないので、やるときは自己責任で。
個別の質問には回答しかねます。




参考にしたサイト一覧:
LinuxBuildInstructions - How to build Mozc on Linux
yzn8's blog
Mozcを試しに使う
箕面市役所Edubuntu日記

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