5.23.2011

読書。

続けて2冊目。

というか、こちらを5月頭から先に読んでいたんだけれども、内容を理解するのに苦慮し、加えてスパロボZの誘惑があり、読み切れていなかったもの。

出張での行きの飛行機でドヮーっと読破してしまいました。








読んだのはブルーバックスの海のなんでも小事典。

なんでもとは名ばかりで、書籍の前半は潮汐、後半は海洋地質学に関する話題。

申し訳程度に海洋基本法に関する話題が組み込まれているけれども、それも巻末1章程度です。

そんなわけで実態は、「海の物理と地形の基本」といった所じゃないでしょうか。

著者は元または現、海上保安庁職員の理学博士4人で、著者たちが実際に経験した海の調査の話など、とても現実味のある話題が満載されているだけに、タイトルが形だけというのはとても残念です。



話題についても日本近海に絞っている部分が多く、世界の海との違いを認識できる場面はあまり多く無かったです。

また、海洋化学、海洋生物学、海洋環境学の類の話は全く登場しないので、そのあたりを期待していると実につまらない書籍に出会ってしまったと思うかもしれません。

けれども事典の部分は本当で、各項目が系統だてて分けられ、簡潔な説明文で解説されています。

数学的あるいは物理的な背景についてはコラムにまとめて本文外にだしているため、数式が理解できないと内容もわからない状態には陥らないと思います。

(ただ、そのためにはとにかくこうなると受け入れる柔軟な考え方が必要です。)

個人的には潮汐の話題、中でも長期観測によって初めてわかる波の影響のあたりが興味深かったです。

海釜の形成過程や海洋資源の利用など、今後の研究題材として考えさせられるトピックもあって、ますます海洋学への興味がわきました。

海洋系学問を専攻している大学2年生ぐらいならば、読んでみると楽しめるのではないかと思います。

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