ニヤニヤ顔が当初より批判の的になっている原子力安全・保安院の担当者の説明によれば
- 検査を行った海域での漁業は、現在行われていないので、すぐさま市場に出回っている水産物に影響が出るものではない。
- 一般論で言えば、潮流で拡散し、海藻や海洋生物に摂取される頃には相当量薄まっているから、それらへの影響も低い。
とのこと。
前者について言えば、回遊する魚類や、行動範囲の広い魚類については何の意味も成さない主張だと思う。
これは、その海域に住んでいる魚がどういうものなのが調べて、どのぐらいの範囲で行動していて、回遊する時期はどうなのかって事まで調べて、初めて影響についての言及ができると思うのだけれど、漁業操業が行われていないだけで影響についての話をしているのは、あまりにも頭の悪い話じゃないかと思う。
それから、一般論という意味不明な前置きをおいているけれども、潮流等で放射性物質が拡散するという話も、どこまで真実かわからないと思う。
例えば、濃度差や温度差によって、ある程度の塊で潮流に乗って移動する可能性は無いんだろうか?僕は専門家ではないけれども、本当に一般的に言って拡散すると言えるんだろうか。
大きな濃度差があれば拡散しそうにないと思うのは僕の直感が間違っているんだろうか。
例えばアメリカで発生した海底油田の事故では、油が拡散すること無く、ある程度の塊でもって潮流に乗って移動していたように思う。放射性物質は油に比べて十分小さいから、周りの海域と濃度差があっても拡散すると考えて良いという事なんだろうか?
だとすれば、風に載った放射性物質が拡散せずに、局所的に高い濃度の放射能を持った水や農産物が確認されているのは、どう説明されるんだろうか?
あまりにも疑問だらけな説明には、怒りを覚えざるを得ないし、それでも専門家なのかと問いただしたくなる気持ちに駆られる。
仮にある程度の塊のまま潮流に乗って放射性物質が移動して、それが海洋生物に摂取された場合、その海域での漁業に影響がない訳はないハズで、このあたりはJAMSTECなんかが潮流に関するデータを持っているはずだから、そこからどの程度の範囲に移動する可能性があるのかを、早期に検討・議論して、該当する地域にある漁業組合や自治体には早期に周知して、対策をとる必要があると思う。
今回の事故によって、もはや安全な日本近海産海洋産物が期待できない事態になるかもしれない。
海が好きで、魚が好きな人間の一人として、心配でなりません。
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