そんなわけで読書記録。
月3冊を目標にしつつも、台湾だとあんまり数を読めない。
時間的な制約もそうだけど、一度に持ち込める本の数にも限りがあるし。
で、今回読んだのは虫眼とアニ眼。
バカの壁でおなじみ解剖学者の養老猛さんと、アニメ監督の宮崎駿さんという、二人のオヂサン(いや、おじいさんか)が、オヂサン世代の普通の感覚についてお互いに確認しあうという内容の本でした。
具体的に「こうだ」という結論のでる本ではなく、ただただ二人の普通のオジサンが、お互いの感覚について語り合って、その中で今の世の中に思うことを語る。そんな内容の対談を文字に起こした一冊です。
言っている事はごく当たり前で、お二人だけでなく、さまざまな方面から近年指摘されている内容の繰り返しです。(とはいえ、最初の対談が97年のものなので、最近言われていることが、二人の対談の焼き直しと言えるかもしれませんが、とにかく新しい考えみたいなものは何もありません。)
二人の人となりに触れられるわけでもなく、普通の対談なのですが、読んだあとに妙に「何かしなければいけない」感覚と「今のままで何ができるだろうか?」を考えようとしている自分とに出会うことができました。
本書の頭からお尻まで、一貫して語られているのは子供たちへの心配と、人間に向きすぎた人間の感覚への危惧という2点。
そして、それは生き物として自然な姿ではないという主張でまとめられています。
虫眼やアニ眼を持っている方が、生き物として自然なのか、本当にそれが良いことなのかは人それぞれ、判断が分かれることでしょう。
(私は、今の人はアニ眼や虫眼の代わりにヒト眼とも言える眼を手に入れていて、そのヒト眼では、細かく見る対象がヒトやその心理に移っただけの話だと思いました。これは虫眼やアニ眼が当たり前の世代からすれば、その眼は異質なものに見えるだけで、本質的にはなんにも変わっていないと思っています。もちろん、自然科学を相手にするなら、虫眼やアニ眼に相当する、ヒトの関係や心理によらない眼が必要なんでしょうけど。)
文章はとても読みやすく、2時間かからずに、一気に読みきることができました。
ちょっとした軽読書としても良いと思います。
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