11月末からは台湾に出ていて、怒涛のように毎日が過ぎたせいか、いまいち年の瀬という感じがしません。
あちらでは会社のパソコンを使っていたため、接続できるウェブサイトなども限られていて、読書日記も満足に付けられない状態でした。
そんな中でも持っていった本を読んでいたので、その分の記録をつけたいと思います。
まずは一冊目。
評伝アインシュタイン。
20世紀最大の物理学者といっても過言でない、アインシュタインの伝記的書籍です。
内容は筆者の見聞きしたアインシュタイン像が中心なので、アインシュタインその人に真に迫っているかといえば疑問が残る部分もあるものの、アインシュタインがした仕事のおおきさ、その仕事の与えた影響というのを知るのにはいい本だと思います。
訳が云々でなく、内容はちょっと難しい書き方をされている部分もあって、物理の道に明るくない人が読み進めるのは難儀するかもしれません。
アインシュタインだけでなく、当時の物理界隈の状況も端々に出てきて、ボリューム満点の一冊なので、台湾でも長くにわたって楽しむことができました。
アインシュタインの人となりを知りたいのであれば、おすすめできます。
二冊目
科学は不確かだという、ファインマンの講演を収めた一冊。
ペラいので、ちょっと高いかなと感じる一冊ではありますが、物理学者の宗教観であるとか、物理学者というやつは・・・というファインマンならではの価値観などを知ることができ、面白かったです。
内容も平易で分かりやすく、最近の科学の状況と対比しながら進んだ点、ファインマンが講演した当時と大して変わっていない点、ファインマンの予見が当たった点などを同時に考察でき、このへんも面白かったです。
軽読書に向く感じで、冬休みの読書感想文を書く題材として選んでもいいんじゃないかと思いました。
最後はこれ
物理法則はいかにして発見されたか。
これもファインマンの講演を二本収めた書籍です。
前半はコーネル大での講演を、後半はノーベル賞講演を収めています。
内容はとても面白く、(後半まとまっていないなぁと感じるところも散見されるものの)科学者が法則を「発見する」様、単純であるとはどういうことか、自然の美しさに打たれた人間は何を感じ、考えるのかといった事が語られています。
難点は訳。
古いという表現が当てはまるかはわからないけれども、政治家の演説のような、面白みのない訳になっているのが残念。
(そんな訳なのに、訳註で原文では云々なんて書いてあるから、訳者だけが楽しんでいるような印象がすごくしました)
訳の悪さ(単語のチョイスや訳し方)で損をしている部分が多分にあると思います。
ノーベル賞講演の方は、数式の挿入のしかたがマズイでしょう。
この手の本にありがちですが、縦書きに横書きの数式を入れたら、数式を読むために本をくるくる回さなければなりません。
これはとにかく不便。
文章の下部に数式を入れるスペースを組んでもらったほうが、いくらかマシだろうと思いました。
このへんの日本語版ならではのマイナスポイントにさえ目をつむれば、いい書籍だろうと思います。
科学をやる人にはぜひ読んで欲しいです。
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